こんにちは!30代パンセクシュアルのよっしーです。
私は大学院修了後から現在まで、教育、福祉、スポーツ等の様々な分野で障がい者支援に関わってきました。障がいのある方々の健康や健康教育、ヘルスプロモーションに関する実践及び研究が私の専門分野です。
そこで今回は、私が今まで障がい者支援に携わってきて考えたことを様々なマイノリティ支援のあり方に結びつけて書いてみたいと思います。
日本では、平成28年4月に「障害者差別解消法」が施行され(令和3年5月改正)、各事業者に対して「障害を理由とする差別の禁止」及び「合理的配慮の提供」を義務付けることになりました。
さて、この「合理的配慮」という言葉をご存知でしょうか?
日本が平成26年に批准した「障害者権利条約」に「reasonable accommodation」として登場しますが、簡単にいうと「障がいのある方々の困り感や不便さを低減・改善・解消し、障がい者がスムーズに日常生活や社会生活を送れるよう提供される様々なサポート」のことです。サポートを行う側にとって過度の負担とならない範囲で行うこととされています。具体例として、「駅の券売機の利用が難しい場合、操作を手伝う」「施設内移動を容易にするバリアフリーの施設整備をする」「入学試験において、別室受験、時間延長、読み上げ機能の使用を許可する」等が挙げられます。そして、ポイントは「過度の負担とならない範囲で行う」の部分だと考えています。
つまり、障がいのある方々が日常生活や社会生活を可能な限りスムーズに送ることができるように必要かつ適当な範囲内で変更や調整を行うということであり、決して障がい者に対して特別な待遇をするというものではないのです。いわゆる困り感や不便さの原因となり、それらを引き起こす様々な環境(バリア)を取り除くことと言い換えることもできます。そして、障がいの有無にかかわらず、みんながより充実した日常生活や社会生活を送ることを目指していくのです。これらの取り組みの方向性は、障がい者と健常者がお互いを尊重し、助け合いながら共生社会を作っていこうというノーマライゼーション理念から来ているものと思われます。
私は、この合理的配慮の考え方は、様々なマイノリティ当事者への支援のあり方にも拡張することができると考えています。すなわち、マイノリティ当事者に対して合理的な配慮をすることが重要なのであって、決して特別な待遇を求めるものではないと言うことです。多様な個々人が安心して日常生活や社会生活を送ることができるように、必要かつ適当な範囲内で変更や調整を行い、当事者にとってバリアとなっている事柄を取り除いていくことが望まれます。さらに、こういった取り組みを進めることで、多様性を認め合う社会や組織作りを目指していくべきです。
日本においては、障がい者差別以外にも様々な人権問題が存在しています。共生社会実現のため、マジョリティ側がマイノリティ側の悩みを理解・共有するとともに、いかに行動に移せるかが問題解決のために重要であります。その一方で、マイノリティ側がマジョリティ側にどれだけ・どのように歩み寄れるかという視点も必要不可欠だと考えます。このインタラクティブな相互関係こそが共生社会実現のために重要なのではないでしょうか?
昨今、日本でも多様性やダイバーシティと叫ばれてはいますが、国民のコンセンサスを得ているとはまだまだ言い難い状況だと思います。私自身マイノリティ支援に携わる身として、多様な個々人がそれぞれの個性を活かしながら輝ける社会の実現を目指して、微力ながら活動を続けていきたいと思います。
日本セクシュアルマイノリティ協会のボランティア活動
- ボランティアに参加する
ありのままの自分で、胸を張って生きていける。そんな社会の実現を目指して一緒に活動してみませんか?何ができるかわからないけど協力したい、活動したいという方、自分らしく輝ける場所として何かを表現したいという方、一緒に活動しましょう。
https://npojlga.or.jp/volunteer/active-menber
- イベントに参加したい学生の方々
LGBTについて知りたい学生の方のアンケートなどに協会ボランティアメンバーが自身の想いを伝える交流会です。
参加希望の方はこちらからご連絡ください。
https://npojlga.or.jp/form/contact.html