これまでの当たり前を見直す

こんにちは。すーちゃんです!EESa!に入って早10ヶ月が経ちました。

私は大学で建築を専攻していて、「性の多様性に着目したトイレ改修」について研究していました。この研究がEESa!に入会するきっかけにもなりました。
今回はそのテーマにした経緯の中で考えたことについて書こうと思います。

まず、「性の多様性に着目したトイレ改修に関する研究」がどういった内容なのかざっくり説明します。

近年、男女別トイレの他に「オールジェンダートイレ」という性別を問わず利用できるトイレが設置されるといった事例がみられます。新たに建設される建物ならば、オールジェンダートイレを設置することをはじめから考慮し、場所の確保をすれば比較的設置は簡単だと言えます。しかし、既存の建物だとそうはいきません。もとの男女別トイレとの関係や、そもそも設置できる場所はあるのか、多目的トイレと併用する形態にするのか、男女別トイレをなくして作ってもよいのかなど、様々な選択肢・制約の中で利用しやすいオールジェンダートイレを模索することになります。制約があって難しいからといって、「じゃあ、建物を新しくするまでオールジェンダートイレを設置しないでおこう」というわけにはいかないでしょう。そこで私は、性の多様性に着目したトイレ改修を行うことを想定し、実際の大学構内のトイレについて、どこにどのような形態でオールジェンダートイレを設置するのが良いのか?という研究を行いました。

実は、私は1年前までパブリックトイレは、男女別トイレと多目的トイレが設置されていれば、それでOKだと思っていました。「男女別トイレと多目的トイレがあったら、みんながトイレを利用できるよね。男女別トイレが当たり前だよね」と。

学生生活の中で幾度となく出された設計課題では、男性用トイレと女性用トイレ、多目的トイレを設置することを想定した図面を引いていました。
教科書にもパブリックトイレの設計の例として、男女別トイレと多目的トイレの配置について記載されています。

私自身、「バイセクシャルなのかもしれない」と思っていて、LGBTQ+について調べることもありましたが、私の中では、建築とLGBTQ+は全然結びついていませんでした。

そんな私がこのテーマで研究をすることを決めたきっかけは、なにげなく再生した一本の動画でした。

それは、あるトランスジェンダーの男性の方の学校生活を記録した動画で、トイレの利用について困ったことも語られていました。調べていくと、男女別トイレを利用しづらい人や、男女別トイレに入れず、さらに多目的トイレも使いづらいと感じている人などがいることを知り、これまで何も考えず設計課題にとりくんでいたことを反省しました。

そして、今まで当たり前だった「男女別トイレ+多目的トイレ」という形態を変えていく必要があるのではないかと思いました。

さらに調べると、「オールジェンダートイレは不要だ」といった否定的な意見や不安を感じる人もいることも知りました。

様々な意見がある中で、どんなトイレならみんなが安心して利用できるだろうかと考えていました。私が研究することで、せめて大学内の人の意識やトイレのあり方が少し変化するかもしれない、そういう思いで研究をスタートしました。

長く続いた当たり前を変えることは難しい。でも、気がついたからには、現状を改善したい。

*****

研究は学生生活を終えたため、一区切り付きました(機会があれば結果についてブログに書ければなと思っています)。トイレのあり方については、ずっと考え続けていこうと思っています。まだまだ、男女別トイレと多目的トイレの設置が主流の世の中ですが、設計者として働き始めたので、ゆくゆくは提案・議論してよりみんなが利用しやすいトイレにしていきたいな…と密かにチャンスを伺っています。

また、トイレに限らず、大多数の人が“当たり前”だと思っていることの中には、見直したほうがいいことが潜んでいるかもしれないと思うようになりました。

「そんなの当たり前じゃん」と思ったとき、

「それが“当たり前”で本当に良いのか?」と考えてみる。

長く続いてきたコトを変えるのは簡単ではないけれど、
小さい変化かもしれないけれど、
私は、よりよいモノをめざしたい。

読んでくださりありがとうございました!

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