こんにちは。50代ゲイのノブです。
「LGBTの人たちってどうしてカミングアウトしたがるのですか?」
私は、LGBTや性の多様性について研修をさせていただくことがあるのですが、時折このような質問をいただきます。
研修では、「カミングアウトするかしないかは個人の考えや状況によること」、「私のようなゲイとトランスジェンダーの方では事情が異なること」、また「カミングアウトに関わる心理的背景」についてご説明しています。
ですから、先の質問の答えに該当することは説明していると思うのですが、それは私の驕りであるようです。
この質問には、「シスヘテロ※の人は、いちいち男が好き、女が好きなどと言わないのに、どうしてLGBTの人は言いたがるのか。どうしてそんなに自分のことをわかってほしいと思うのか。」という意味が含まれている場合があります。
そのように考える方は、「シスヘテロの人とそうでない人とでは前提が異なっている」ということを見落としているのではないかと私は考えています。
例えば、シスヘテロの方が私に「どのような人がタイプ?」と聞く場合、「私は女性が好きだという前提」で話を始めています。しかし、私にその前提は当てはまりません。ここで食い違いが起きているのですが、そのことを私が口にしない限り、シスヘテロである相手の前提条件に合わせて会話を続けなければならないのです。
これと似たような食い違いが毎日のように続くと、「マイノリティ・ストレス」としてLGBTの人々を疲弊させます。このストレスの積み重ねが、「カミングアウトしたい」という動機のひとつとなる場合があるのです。しかし、シスヘテロの方にとっては、この感覚を理解することが難しいのかもしれません。
研修の回数もだいぶ重ねてきましたが、どう分かりやすく伝えるかいつも頭を悩ませます。
そもそも「十人十色なこと」を限られた時間で説明するのですから、難しいのは当たり前です。それでも、できるだけ体系的に簡明な表現で説明することを心がけており、受講者から「ストンと腑に落ちた」と言っていただくととてもうれしいです。これからもチャレンジは続けていきたいですね。
※シスヘテロとは、シスジェンダーとヘテロセクシュアルの省略。
シスジェンダーは、生まれた時に割り当てられた性別と性自認が一致している人のこと。
ヘテロセクシュアルは、異性愛者のこと。
日本セクシュアルマイノリティ協会のボランティア活動
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