留置施設では

こんにちは、弁護士のはんなこと白木麗弥です。

 

今日はみなさんの日常とは少し関係ないように思えてしまうのかもしれない、刑事事件のお話。

留置施設は男女で分かれています。これまでは犯罪を犯した人の性別比は男性の方が多かったので、男性用の施設の方が女性よりも多いわけですが、最近は女性の犯罪も増えてきているようです。

LGBTも社会に暮らす中で犯罪の加害者となり、被害者となる場合があるわけです。

 

さて、留置施設は未だ犯罪を犯したのかどうか判決を受けていない人が身柄拘束をされている場所であるわけですが、推定無罪と言われつつも生活には様々な制限がかかります。

トランスジェンダーの場合、戸籍上の性に基づく留置施設に入り、基本的には独房に入ることになります。お化粧もできないし、着られる服も限られています(まあ、これはみんなそうではあるけども…)。

 

そして勾留されている間、何より困るのが、医療なんです。

 

警察署の留置施設には基本的にはお医者さんはいませんので、ちょっとした薬で治せないような病気なら外部の病院に連れて行ってもらえる場合があります。

場合があります、って含んだ表現ですが(笑)、実際はよほどひどくないと連れて行ってもらえないし、一回行けばいいでしょうといった感じで継続した診察は予定されていません。

拘置所ならいいのかというと、決してそうではなく、私が弁護している人はみんなちゃんとした医療は受けられていません。病気を治しにここにきたんじゃないでしょと言われるようですが、病気してるのに治すことができないってどんな罰なのよと私は思っています。

 

すでに性別適合手術を受けているMtFの方がホルモン投与を拘置所で受けられずに体調を崩していたというニュースがありましたが、「医療の範囲外」とはさすが法務省だなあと(ちなみに法務省では人権救済相談をしていますw)

正しい知識を知ってもらうのは、差別解消の第一歩。もっとたくさんの人に伝えないとって自分自身にも言い聞かせています。

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