年金について その9

こんにちは。
ライフコンサルタントの中村です。
台風が猛威を奮っていますね。皆さんお気をつけてお過ごしください。

さて、年金シリーズの締めくくり、セクシャルマイノリティの方々にも関心が高いところです。
養子と遺族年金の関係についても触れますね。

「遺族年金」は誰が受け取れるのか?

◯遺族基礎年金
亡くなった方によって生計を維持されていた「子」のある配偶者、または「子」です。

この場合「子」というのは、

①18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子

②20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子に限ります。

そして、養子縁組した養子も「子」に含まれます。

また、「生計を維持されていた」といえるためには、受け取る方の年収が850万円未満であり「生計が同一であること」という要件を満たす必要があります。
一般的に、亡くなった方と同居していた場合には、「生計が同一」といえます。

このように、遺族基礎年金を受給できるのは、「子」のいる配偶者と「子」のみです。

配偶者と子がいる場合、子には支給されず、子の分もあわせて配偶者に支給されます。配偶者がすでに亡くなっている場合には、子に対して支給されます。

「配偶者」には、戸籍上の配偶者だけでなく、内縁関係にあるものも含まれます。
ただし、亡くなった方と同居していることなど事実上の婚姻関係であることを証明する必要があります。

遺族基礎年金は、故人が亡くなった後に残された配偶者と子のためのいわば「養育費」です。
そのため、遺族基礎年金を受け取る権利は、配偶者や子供が死亡したときや、結婚(再婚)したときには、なくなります。

ここで、同性パートナーでお子さんを授かっているご家族であった場合には、お子さんと血縁関係にない方が亡くなった際にお子さんと養子縁組をしていないと遺族年金は受け取れないという問題があります。
ただし、養子縁組をすると実の親と子の間で親権が失われますから、ライフプラン全体を見据えて慎重に考えることが必要です。

◯遺族厚生年金
遺族厚生年金を受給できるのは、亡くなった方によって生計を維持されていた

①配偶者又は「子」(遺族基礎年金の「子」と同じです。)

②父母

③孫(「子」と同じ制限があります。)

④祖父母

で、この中で、優先順位の高い方に支給されます。

遺族基礎年金と異なり、「子」のいない配偶者も受給できます。ただし、「子」のいない30歳未満の配偶者は、5年間だけしか受給できません。

また、父母、祖父母には年齢要件(55歳以上だった方が60歳になったときから支給)があります。

「子」のある配偶者又は「子」は、遺族基礎年金も併せて受給することができます。

40歳以上の配偶者であれば、65歳になるまで、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算(定額)が加算されて支給される場合もあります。

以上、ざっと受給要件をまとめてみました。

内縁関係も認められているとはいえ法律上の「配偶者」が前提の制度ですから、同性パートナー関係にある方々にとっては歯がゆい想いをなさるかもしれません。

また、養子縁組をして遺族年金が受け取れるのは20歳未満までの方ですから、同性パートナーを養子縁組することは遺族年金を受け取らせる対策として有効ではありませんので誤解なさらないでくださいね!

個別のこみ入ったお話については一人(二人)で考えずにいつでもどんなことでもご相談ください。

いつでもお待ちしています(^_^)
takanori.n@jlga.or.jp

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