「好き」を止めるな!

こんにちは。6月に入会した40代トランスジェンダー男性のおぐです。

メンバーには高校生や大学生など若い仲間たちがたくさんいます。みなさんはいま、好きなこと、好きな人はいますか?そのことを周りに隠さずに暮らせていますか?

ぼくは13歳の春に自分のセクシュアリティ(生まれは女性だけど性自認は男性、好きになるのは女性)をはっきり自覚しました。時代的なこともあり、自分は「変態」か「頭のおかしい人」だと思い込み、ぜったいに誰にも知られちゃいけない、ウソをついてでも死ぬまで隠し通す、とかたく心に誓いました。

でも、セクシュアリティってたくさんの「好き」に通じているのですよね。

ロボットのおもちゃが欲しい、一番しっくりくる色は青、スカートでなく学ランを着たい、あこがれの男優のしゃべり方をまねしたい、クラスの女の子に恋をした、女性アイドルグループで一番の推しはあの子、etc

セクシュアリティを隠すということは、そういう「好き」をぜんぶ隠すということ。大切な家族や、仲良しの友達や、関わる人たちみんなにウソをつく。そんな日々がつらすぎて、そのうち自分にまでウソをつくようになる。本当はそんなの好きじゃないんだ、だからべつにつらくない、って。

ぼくはそういう生活を30年間続けてきて、しまいに自分の本当の「好き」がわからなくなってしまいました。「好き」という心は、人生の喜びや幸福感を生み出す大切なみなもと。だから自分の「好き」を見失うと、自分にとってなにが幸せなのかもわからなくなってしまうのです。

ぼくはずっと自分を偽って、社会的に女性として生きてきたけど、40代になってやっと自分の性自認を受け入れ、トランスジェンダー男性としての人生を歩みはじめました。

30年かかってやっと取り戻した男性としての生活、どんなふうだと思いますか?

もちろん不慣れなことばかりでところどころ不安はあるけれど、もう他人にも自分にもウソをつかなくていいんだと、大きな安心感を得られました。そして、30年の間に見失ってしまった自分の「好き」を、再発見できるようになりました。そういえばこんな色が好きだったなあ、こういう服を着てみたかったんだなあ、そんなふうに少しずつ。すべて取り戻すにはまだまだ時間がかかるだろうけど、10代の頃の怯えていた自分に「もう隠さなくていいんだよ、好きなこと教えて?」と日々問いかけています。

だから、若い当事者のみなさんには、自分の「好き」をなくさないよう大切にしてもらいたいなと思います。「好き」って、人やものや生活を大切に想うすばらしい感情で、本来ならだれに否定されるものでもないはず。たとえ今は周囲に隠さなければいけない状況でも、自分にだけはウソをつかず、その心を守ってあげてください。いつか隠さなくてもよくなったとき、その心がきっとあなたを幸せへと導いてくれるはずです。

また非当事者の方々には、自分を隠して生きるのがどれほど辛いことか、それがどれほど人の心を傷つけるか、想像をめぐらせていただけたらと思います。そして、誰もが自分らしく幸せに生きられる社会を、ぜひいっしょに築いていきましょう。

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