高校生のりさです。性自認は女性、好きになる相手は性別に関係ありません。クエスチョニングという言葉をアイデンティティとして使うことが多いですが、最近は、バイセクシュアル、パンセクシュアル、クイアなどがしっくりくるなと思っているところです。
今回は、私が今年の夏に参加したサマーキャンプについて書かせていただきます。
そのサマーキャンプでは全国で活躍している高校生たちが一堂に集って二週間共同生活をします。日本各地の方言の違いに驚いたり、将来の夢について語り合ったりしました。チャレンジ精神が旺盛でとても大きな夢を抱いている仲間との出会いは本当にかけがえのないものとなりました。自分自身の人生の軸や将来の夢について改めて考えられたのは、いつもいるコミュニティを飛び出して、新しい世界に行ったからだと思います。「出会いの大切さ」に気づいた二週間となりました。
そんなサマーキャンプを通して、もう一つ気づいたことがありました。それは、「普段どれだけ私は自分を抑え込んでいるか」です。私は、このサマーキャンプで、20人ほどの前でカミングアウトをしました。そうやって人を選ばず、大人数の前でのカミングアウトは人生初でした。最初は、「二週間しかないし、もしカミングアウトをして嫌われたらそれはそれだ」なんていう諦めと、「自分のことをもっと知ってほしい」という希望からでした。
結果、カミングアウトをしてすごく気が楽になりました。恋バナをする時も、「りさは恋人がほしい?」などと、性別を断定しない言葉をさりげなく使ってくれる子が増えました。そんなちょっとした気遣いから、私は「ここには居場所がある」と思えるようになりました。このような安心感は今までにない感覚で、すごく嬉しかったことを覚えています。
そんな理想郷での生活が終わり、また日常の高校生活がスタートした時、「普段どれだけ自分を抑え込んでいるか」に気づいたのです。私の学校は女子校なのですが、「大学に入ったら彼氏できるよ」みたいなことをよく言われます。しかし、学校ではカミングアウトされた相手にのみカミングアウトをしている私は、そんな話になった場合、笑って受け流してしまいます。
ずっとそうやって自分自身のアイデンティティを隠している状態が当たり前でした。しかし、今までの人生で最も「自分らしくいられた」と感じたサマーキャンプ後には、そんな当たり前がゆるゆると私の首を絞めているような気がしました。
だからといって、学校では、親友にも自分のセクシュアリティを明言できていません。笑って受け流す方が、カミングアウトをして人間関係が壊れるよりも怖くないからです。でもそうやって笑って流すことにもストレスがかかるのだということに改めて気づかされました。ずっと嘘をつき続けているような感覚がします。
だからこそ、私が、学校でもカミングアウトをする勇気を持てたらいいなと思います。
もちろん、カミングアウトをするかしないかは個人の自由なので、「カミングアウトを誰もがすべきだ」とは言いませんが、これを読んでいる方には、しんどくなったらいったん立ち止まって見てほしいと思います。正面から自分自身を否定されることも、他愛無い会話の中で小さな傷をたくさん作ることも大きなストレスになりえます。だからこそ、「しんどい」と思ったら、今いるコミュニティを飛び出してみたり、身近な人に相談してみてください。
傲慢かもしれませんが、いつか世界中の人々が、サマーキャンプで出会った友人たちが持っていた優しさを持ってくれるようになったらいいなと思います。
カミングアウトをしてもしなくても、「自分にはここに居場所がある」と誰もが感じられるような世界になるように、2022年もEESa!での活動に全力を尽くしたいと思います。
最後に、今回のブログに使わせていただいたイラストは、TEABAG CARTOON という方が描かれたものです。私はいつも、この方のイラストに元気をもらっているので、ぜひみなさんにも見ていただきたいと思い、使わさせていただきました!
読んでくださりありがとうございました!
日本セクシュアルマイノリティ協会のボランティア活動
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